細胞内構造生命科学の
技術革新と新たな概念の創出

本学術変革領域は、「メゾ複雑体」と名付けた20〜500 nmの大きさの細胞内構造体がまつわる生命現象の真の作用機序について、分子・タンパク質レベルからオルガネラ・細胞レベルまでシームレスに解明することを目指します。そのための最先端計測技術を開発・組み合わせ、世界初の「クロススケール新生物学」を展開します。

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領域の概要と
領域代表からのご挨拶

学術変革領域「クロススケール新生物学」では、分子・タンパク質レベルからオルガネラ・細胞レベルまでの定量的クロススケール計測、特に細胞内で20〜500 nm程度の大きさの「メゾ複雑体」の計測を可能にし、生命現象の作用機序や病気の発症原因を分子・タンパク質レベルからオルガネラ・細胞レベルまでシームレスに解明することを目指します。そのため、「クロススケール細胞計測センター」を設立し、クライオ電子線トモグラフィー、超解像イメージング、In-cell NMR、原子間力顕微鏡(AFM)などの計測技術の開発を行い、生命科学・医学への応用展開を図ります。メゾ複雑体が重要な役割を果たす生命現象として、例えば、「疾患のもととなるタンパク質の構造異常・品質管理」「細胞や発生の向きを決めるプロセス」「膜の形・トポロジーを制御する過程」などが挙げられますが、メゾ複雑体が関与する生命現象はこれに限るものではありません。一見ランダムに見えるメゾ複雑体からどのように秩序すなわち高次機能が生まれるか? という生物学的問いに答えるための新たなフレームワークも創出したいと考えています。

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領域代表 吉川 雅英

本領域は二つの組織A01, A02からなり、A01班ではクロススケール細胞計測を可能にする最先端技術開発を行い、A02班ではクロススケール細胞計測による新生物学を展開します。これら二つの組織が、「クロススケール細胞計測センター」を拠点として有機的に連携することで、教科書をも書き換える、世界初の「クロススケール新生物」が達成できると期待しています。

クロススケールの図

研究体制
クロススケール
細胞計測センターの設立

細胞内「メゾ複雑体」の構造とダイナミクスについて、分子・タンパク質レベルからオルガネラ・細胞レベルまでシームレスかつ定量的なクロススケール計測を限りなく実現するため、「クロススケール細胞計測センター」というバーチャルな組織を設立しました。本センターは本領域の総括班によって共同運営されますが、総括班は2つに大別され、主として技術開発に取り組む5つのA01計画班と、これらの技術を活用し新生物学を展開する5つのA02計画班から成ります。これに15の公募班が加わり、新たな計測・解析技術の開発と融合、重要生命現象の発掘とメカニズムの解明を目指します。これらのグループが常に情報を共有し、活発に議論できる環境を整備し、学術変革領域ならではの学際的共同研究を推進します。
クロススケール細胞計測センター連携図

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